介護保険法は時代の流れやニーズに対応するべく、これまで何度も改正が行われています。次回の法改正は2024年。改正されるにあたり、注目すべきポイントはあるのでしょうか。ここでは、介護保険法の概要や法改正の押さえておきたい重要ポイントについて詳しくまとめています。
介護保険法とは、「介護保険制度」のための法律を指します。つまり、要支援や要介護の高齢者とその家族を社会全体で支え合うための制度について定めた法律です。介護費用の負担額や施設運営の基準など、広範囲にわたって細かく取り決められています。
介護保険法は、3年ごとに改正される点が大きな特徴と言えるでしょう。改正が繰り返される背景には、要介護・要支援の認定を受けた人の増加、常に変化し続ける介護業界の環境があります。時代の流れや新たなニーズに対応するため、3年に1度法改正が行われているのです。
介護サービスを利用する際、利用者負担を原則2割にしたいという提言です。現在、介護保険を利用している人のほとんどが原則1割負担ですが、増え続けている介護費を補うため、原則2割に引き上げて給付額を抑えることが国の狙いです。
しかし、原則2割負担となった場合、サービスの利用控えが起こる可能性も。1割負担が2割負担になれば、家計にも大きく響いてくるでしょう。介護サービスを本当に必要とする人が利用できなくなってしまえば、症状が重度化してしまうリスクもあります。
多床室の室料負担を見直すべきとの提言もあります。 現在、特別養護老人ホームでは多床室の室料を徴収していますが、介護老人保健施設や介護医療院、介護療養型医療施設では室料の負担がありません。
現状では、室料相当分が保険給付の中に含まれているため、特別養護老人ホームに比べて利用者負担が軽くなっているのです。室料は公平であるべきとの観点から、前述した3つの施設の室料相当額を、給付額から除外する方向で議論が進められているようです。
ケアプランが福祉用具貸与のみの場合、介護報酬を引き下げるべきと提言しています。福祉用具貸与のみのサービスはほかのサービスよりも労力が少ないという認識に基づき、サービス内容に応じた報酬体制にしたいという考えです。
しかし、ケアプランには、公的なサービスに加え、インフォーマルサービスも含まれています。モニタリング以外にも細かな連絡調整を行うケースが多いため、福祉用具貸与のみだからといって業務負担が軽いわけではないという現場の声もあるようです。
小規模法人を大規模化すべきという提言です。小規模法人が多くなっている介護業界。介護保険制度の開始当初、国は競争によって介護サービスの向上を図ってきました。結果、さまざまな法人が介護業界に参入したため、小規模法人が増えてしまったというわけです。
国は、サービスの質が上がらず業務効率化が進んでいない現状を指摘し、大規模な法人ほど平均収支率が良い点を主張。法人を大規模化し、経営の効率化を進めたい考えです。しかしながら「短絡的」との批判もあり、今後の動向が注目されています。
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ICTやロボットの活用
介護職へのICTやロボット導入に関しては、2021年の改正において、特定施設にてテクノロジーによる人員基準緩和が検討されました。2022年に実施する方向で進んでいましたが、反発の声が多く、実施には至らなかったようです。今後もテクノロジーに関する議論は続くと見られ、2024年の法改正では、導入が実現するか注目が集まっています。